2020-01-18

2020AW Paris

MANWOMAN SHOW 2020AWという展示会に出展する為、F.O.B
FACTORYとしては初めてパリにやってきました。昨年まではベルリンの方で展示会に参加していましたが、今回からファッションの聖地パリに進出です。

ヨーロッパに来る度に思う事ですが、歴史的建造物に圧倒されますね。日本の古い寺社仏閣も勿論素敵なのですが、地震が少ないせいか、とにかく圧倒される大きさ。
映画に出てくる地名、建物もあり、ゆっくり歩いてみたいそんな素敵な街です。

パリの人々も温かく、ボンジュールと迎えてくれます。
ぜひ一度行ってみたい街なのも頷けます。

機会があれば是非訪れて、カフェのオープンテラスでエスプレッソを飲んで、パリジャンを気取ってみるのも良いですよ。


2019-12-05

F.O.B FACTORY G3 denim

名古屋市のトヨタ博物館にて
豊田自動織機が1924年に開発したG型織機
停止することなく緯糸を補給して織る事が出来る
当時、画期的な織機で世界に輸出された名機である。
G型の3代目にあたるG3型織機は日本は勿論、世界にも殆ど残っておらず、私の知る限り10数台しか確認出来ない。
岡山県井原市の機屋にデニムを織れるG3織機とG3を操る事の出来る職人が存在することを発見した私達は、F.O.B FACTORYのオリジナルG3デニムを製作することに着手した。




米綿の生産地






まず、生地の一番大事な部分である原綿である。世界各国に様々な綿の産地が存在するが、
我々の哲学であるジーンズはアメリカで製作されたものであるがゆえに、他の産地で作られたものは、物が上質であろうが、超長綿であろうが(一概には言えないが繊維長の長いものが上質とされる。繊維長が短いものはその分、撚り回数を増やさないと一本の糸にならない為、硬くゴワゴワとした風合いになりやすい為。)使用するのは如何なものか?という所からアメリカコットン(米綿)を選び、アメリカの産地の中でも、上質な綿の産地
”サンフォーキン綿”を取り寄せた。またCOTTON USAの認証を取りこのデニムがアメリカコットンを100%使用した物である事を認定している。
COTTON USA 認証



ロープ染色は岡山の工場で、ピュアインディゴを使用し、深みのあるDEEP BLUEに染め
満足な糸が完成した。
さてなぜG3の織機を使用する事が良いものか、という点だが、これは1点、
極めてローテンションで織る事ができる点である。現在の大量生産品は高速織機では
考えられない、縦糸を重りのグラムで調整し、緩やかにはり、緯糸は力織機なので当然シャットルが往復する。1日フル回転で織り上げる事が出来るのはたった40yard前後である。
非常に不効率な作業だが、このローテンションのG3で織ると、手織りに近いような凹凸が
現れる。この凹凸感とザラザラとした手触りが表現できる唯一の力織機がこのG3なのである。
F.O.B オリジナルG3DENIMを織ったG3力織機




F.O.BFACTORYのG3DENIMの表情




2018-02-21

SELVEDGE RUN N°06

F.O.B FACTORYとしては初となる海外での展示会。
今回はドイツ、ベルリンにて開催された、SELVEDGE RUN N°06に出展しました。

ベルリンの気温は-2℃と凍える寒さでしたが、
来場のヨーロッパ各国、北米のバイヤーの熱気はかなりの物でした。

彼らは日本のデニムをかなり高評価しており
リジットから穿いて色落ちを楽しんでおります。

服はほとんど買わないが、どうせ買うなら長く着られる、良い物を。
という文化があり、F.O.B FACTORYの商品も気に入って頂けました。

日本では前面に出るデザインや、ブランドロゴなどが好まれる傾向にありますが、彼らはこのデニムの綿の産地を聞いてくるなど、物としての本質を
聞いてくる姿勢に関心致しました。

ドイツで出会った人々の時間も楽しく、そして大変有意義な時間だったと思います。

また来年も参加しようと思います。












2017-04-26

F0431 BAKER PANTS



#14 OLIVE #69 WHITE #42 BEIGE #28 NAVY

FATIGUE PANTSやUTILITY PANTSとも呼ばれるBAKER PANTS
米軍で作業用に使用されたパンツです。
同デザインで白色の物を調理員が穿いた事からBAKER PANTSと呼ばれた
とも言われています。(諸説ありますが)

F.O.B FACTORYは当時と同じものを作るレプリカメーカーでは
ございませんので、スタンスとしましては、旧きを知り、現代のファッションとしての
スタイルを大事に製作する。
(見たことないデザインの服ではなく、古着屋で感動を覚えた旧き良き物をオマージュし
生地、縫製、加工と素材の中での良い物を目指し、現代のファッションとしてのスタイル
をシルエット、ディテールに落とし込む)
事を主としております。

今回のF0431 BAKER PANTSを製作するにあたり、色々な年代のBAKER PANTS
から私達がカッコいいと思えるものをディテールミックスさせています。

まずベースは60年代のBAKER PANTSをベースに製作。
ウエストサイドアジャスター付き。

70年代からのディテールのフロントの開きをZIPPER仕様にして着脱を容易にしています。


また古着のBAKER PANTSは70年代から大量生産による為か、コスト削減や
ディテールの簡素化が見られ、素材がポリエステル混になり、縫製仕様も
手間がかからないロック始末が増え、フラップ、ポケット共、Wステッチから
シングルステッチに変更されたりしています。

やはり私達がカッコいいと思えるのは60年代以前の物になります。
F0431は綿100%のオリジナルバックサテンで、ディテールは60年代以前の
内股、脇側とも巻き縫い仕様の2本ステッチを踏襲しています。


なぜか、

それは穿かれてから2,3年後のパンツの表情を作り出すためのディテールであります。
先述のオリジナルバックサテンの生地の方ですが
50年代前半以降 O.D(olive Drab) オリーブドラブと言われていたミリタリーカラーの色が
OG-107(オリーブグリーン -米軍のcolor code 107)
に変更されました。
その時のOG-107の色味を当時と同じスレン染料(VATDYE)で染め製作した物になります。

VATDYE BACK SATTIN

スレン染めは洗剤に強く、色落ちしない反面、摩擦による堅牢度が少し弱い特性があります。この頃の年代の軍物古着に見られるベースの色は残っているのに
アタリだけ見られるのはこの為で、現代の生地の99%は反応染料で染められている為この現象はおこりません。
(反応染料は色の調整が容易で、好きな色が出せます。スレン染料は濃色の色出しが難しく、熟練の職人でも手を焼く為、衣類では現在、殆ど使用されません。)
 

穿かれて、2,3年後に喜んで頂きたく、この生地を製作し、縫製ディテールはパッカリングの起こりやすい巻き縫いを多用しました。


またシルエットは古着のBAKER PANTSとは全く違い、股上も深すぎず浅すぎずに
緩やかなテーパードシルエットを形成するナローストレートラインです。


素材的に一年中使用できるパンツです。







左側着用2年 右側新品 

一度自分が育てる”古着”も面白いと思います。

2017-04-20

F3379 WORK SHIRTS


F3379 WORK SHIRT PRODUCT

 

60’SBIC MACのシャンブレーシャツに見られた凹凸感を再現したい。

そこからこのPRODUCTは始まりました。
 
 

当時の生地は、物資も少なく経糸の染めた糸を多く使用するより緯糸の

生成りの糸を多く使用する事でコストを下げている様に思います。(予想ですが…)
 

今回のこの生地はそこから、スクエアークロス(経糸、緯糸の打ち込み本数が同じ)

に仕上げました。原綿は米綿を使用し、20/-×20/-(20番の単糸)で構成。

また最初の課題のシボ感、凹凸感は改燃と言われる、糸の撚りが緩む事を利用して

糸の縮みを利用して、凹凸感を出す事に成功しました。

勿論、当時の生地も同じですが、彼らは狙って製作したわけではなく偶然出来た

産物です。生地にてワッシャー加工を行い最高のスクエアークロスが現代に

蘇りました。
※生地感を見て頂く為、横から暖色系のライトを当てています。本来の色はピュアホワイトです。

 
F.O.B FACTORYはこの素材で、B.D SHIRTSCUTWAY SHIRTS

WORK SHIRTSと製作しています。
 

F3379WORK SHIRTSはビンテージディテールも満載ですがシルエットの

パターンメイクに拘りました。定番で、生地も丈夫、長年着用して頂くために

シルエットが格好悪いわけにはいきません。

オーソドックスなスタイルながら、現代のエッセンスも取り込み、ワークシャツながら

スマートな印象のシルエットに仕上げました。

衿は小さめ、着丈もパンツアウトの状態でもきれいに見える裾のライン、

袖巾を細目に製作。肩の収まりも立体的に構築しています。
 

ディテールは60’Sのオーセンティックな2POCKETワークシャツをベースに、

通常よりも細い5mm巾の巻き縫い

で運針を細かくしたデーテールを踏襲しています。

空環仕上げは勿論、作り前立ての環縫い仕様のワーク仕様。背中心のボックスプリーツや

ケンボロにも釦を配し現代的なディテールもMIXしています。
 

白いオーソドックスなシャツだからこそ違いが歴然とあります。

このシャツは非常にタフで何年も着て頂けます。経年変化は勿論、着る人と共に

育っていくそんなシャツに仕上がりました。
 
F3379 WORK SHIRTS
 
http://www.fob-factory.jp/cgi/web/index.cgi?c=products_zoom&pk=176