2019-12-05

F.O.B FACTORY G3 denim

名古屋市のトヨタ博物館にて
豊田自動織機が1924年に開発したG型織機
停止することなく緯糸を補給して織る事が出来る
当時、画期的な織機で世界に輸出された名機である。
G型の3代目にあたるG3型織機は日本は勿論、世界にも殆ど残っておらず、私の知る限り10数台しか確認出来ない。
岡山県井原市の機屋にデニムを織れるG3織機とG3を操る事の出来る職人が存在することを発見した私達は、F.O.B FACTORYのオリジナルG3デニムを製作することに着手した。




米綿の生産地






まず、生地の一番大事な部分である原綿である。世界各国に様々な綿の産地が存在するが、
我々の哲学であるジーンズはアメリカで製作されたものであるがゆえに、他の産地で作られたものは、物が上質であろうが、超長綿であろうが(一概には言えないが繊維長の長いものが上質とされる。繊維長が短いものはその分、撚り回数を増やさないと一本の糸にならない為、硬くゴワゴワとした風合いになりやすい為。)使用するのは如何なものか?という所からアメリカコットン(米綿)を選び、アメリカの産地の中でも、上質な綿の産地
”サンフォーキン綿”を取り寄せた。またCOTTON USAの認証を取りこのデニムがアメリカコットンを100%使用した物である事を認定している。
COTTON USA 認証



ロープ染色は岡山の工場で、ピュアインディゴを使用し、深みのあるDEEP BLUEに染め
満足な糸が完成した。
さてなぜG3の織機を使用する事が良いものか、という点だが、これは1点、
極めてローテンションで織る事ができる点である。現在の大量生産品は高速織機では
考えられない、縦糸を重りのグラムで調整し、緩やかにはり、緯糸は力織機なので当然シャットルが往復する。1日フル回転で織り上げる事が出来るのはたった40yard前後である。
非常に不効率な作業だが、このローテンションのG3で織ると、手織りに近いような凹凸が
現れる。この凹凸感とザラザラとした手触りが表現できる唯一の力織機がこのG3なのである。
F.O.B オリジナルG3DENIMを織ったG3力織機




F.O.BFACTORYのG3DENIMの表情